西極楽寺住職ブログ

雲香る

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2022年8月30日

【浄土宗兵庫教区教化ポスター】極楽は「仏」の世界、天国は「神」の世界

浄土宗兵庫教区教化団は、毎年度「教化ポスター」を発行し、お寺に出入りする檀信徒をはじめ、門前を行き交う人々への掲示伝導に取り組んでいます。

2021年度のポスターのテーマは、「極楽≠天国」です。黒ベースと黄色ベースの2種類を作成し、浄土宗として伝えたい思いを長文で綴っています。

黄色ベースと黒ベースの2種類を制作

一般的な「勘違い」や「先入観」からの脱却を目指して

通夜・葬儀の喪主のご挨拶で、ふと、故人が向かうあの世のことを「天国」と話される場面に多く出くわします。

テレビで流れるニュースでも、弔事を読む方や、取材を受けた方のほとんどが「天国に行っても…」と話されることが当たり前になっています。

葬儀が行われている場所は、明らかにお寺であるにも関わらず、「天国」という言葉が当たり前のように使われているのです。

浄土宗兵庫教区教化団は、巷にあふれる「勘違い」や多くの人が抱く「先入観」に対して、仏式の通夜・葬儀をあげる数多くの人々へ、仏教徒として適切な言葉遣いを意識してもらいたい。
そんな一心で、2021年度の教化ポスターを作成しました。

「極楽 ≠ 天国」のボディコピー全文をご紹介

大切な人との「この世」でのお別れのシーンでよく耳にする「天国にいっても」や「天国から見守っていてね」という言葉。

亡くなった人はお空の上の天国へ昇っていくと思っている人がたくさんいること、浄土宗のお坊さんはちゃんと自覚してます。

ただし、浄土宗のお葬式で送る大切な人の行き先は、言葉は同じ「あの世」だとしても、天国ではなく極楽浄土。

羽の生えたかわいらしい天使がお迎えには来ません。

阿弥陀仏と共にいろんな楽器を奏でるたくさんの菩薩がお迎えにきてくれます。

お念仏を称える人の向かう先は、お空の上ではなく夕陽がしずむ西の果て。

苦しみのない安らげる場所で、仏になるために修行する世界。

それが、阿弥陀仏の西方極楽浄土です。南無阿弥陀仏。

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