西極楽寺住職ブログ
BLOG
鉄は水分や酸素と結びつくと、表面に錆が発生してしまいます。発生した錆を放置していると、腐食が進んでいき、鉄に穴が開いたり、強度が弱くなったりします。仏教を開いたお釈迦様も鉄の錆を使った例え話をしておられます。
お釈迦様のことば「錆は鉄より生じ 鉄を喰らう」
「鉄」は自分自身を、「錆」は悪い心や行いを、「喰らう」は苦しめる、ということをそれぞれ例えています。煩悩という悪い心を持ったり、悪い行いをすれば、自分自身を苦しめることになると教えておられるのです。欲を出せば、その欲を追い求めることに必死になって自分の心にゆとりが無くなり、自分を追い詰めていきます。もしも自分が思う通りに欲を満たすことができれば、また更なる欲を出してしまうのです。こうしていつまでも自分を追い詰めることになるのが、欲望という悪い心です。もしも自分の思う通りにいかなければ、腹を立てることもあります。腹を立てた時、大きな声で厳しい言葉を周りの人に浴びせかけ、思い通りにいかせようとしたり、ストレスを発散することもあります。しかし腹を立てる時には大きなエネルギーを使いますので、身心ともに疲れて更なるストレスを貯めることもあります。
自分が苦しむだけなら、まだマシなのですが、周囲の人をも傷つけて苦しめることもあるのですから、欲を出したり、欲を心の中から言動を通して表面化させることは、自他に錆を広げていくように、自他を苦しめることになります。戦争を見ていると分かりますが、一度苦しめられた経験は、時間が経過しても怨みが消えることなく、さらには時代を超えて世代を超えても怨みとなって受け継がれていくこともありますから、細心の注意が必要です。
さらにこの世で苦しむだけなら、まだマシなのですが、命を終えた次の世においても、苦しみの世界へ落ちていかなければならないとお釈迦様は教えてくださるのです。この世のことも分からないことがあるのに、次の世のことは私たち人間には分かりません。だからお釈迦様の声に耳を傾ける必要があるのです。
「自分」も「他人」も「この世」も「後の世」も苦しみを広げることになるのが、自分の煩悩という悪い心であり、悪い言動なのです。まずは自分の心の中を、自分の言動をじっくりと見つめて振り返る時間を持ってみませんか?スマホを持つ時間を少し減らすだけで出来ることですから、毎日仏様の前で手を合わせる時間を是非とも作っていただきたいと思います。