西極楽寺住職ブログ

雲香る

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2025年10月1日

2025年10月 伝道掲示

 「病気が治りますように、仏(神)様助けてください」「商売がうまくいきますように 仏(神)様お導きください」「交通安全でありますように仏(神)様 護ってください」など、仏神にお願いするためにお寺や神社にお参りをする方が多いのではないでしょうか。 これは仏神が私たちの苦しみを抜き去り、安らぎや幸せを与えてくださる存在だという思いからでしょう。

 お釈迦さまは、およそ2500~2600年前に北インドの地で、様々な苦しみを持つ人々に苦の原因と解決方法を教えてくださった仏様であり、阿弥陀仏は「南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏 ・・・」とお念仏を唱える人が命終えようとするときに、臨終間際の苦を抜き去るために多くの菩薩を連れてお迎えに来て、臨終人を安らかな境地にして、極楽浄土という一切の苦しみが無く、安らぎのみの世界に迎えとってくださる仏様です。 お釈迦さまや阿弥陀仏を代表とする仏様は他者の苦を抜き、安らぎを与えてくださる(抜苦与楽といいます。)存在なのです。抜苦与楽(ばっくよらく)のことを慈悲といいます。他者に大慈悲を施すことを自らの幸せとする方であり、仏教徒の理想の存在なのです。

 仏様に手を合わせ、自分の願望を叶えていただこうとする信仰も大切ですが、大慈悲の仏様を理想とし、自分も少しでも理想に近づこうと思うことも大切にしたいものです。理想を持つということは、現実の自分を見つめることにもなります。慈悲の実践をして、周りの人にやさしい言葉をかけて、やさしく接して生きたいと思うのですが、ついつい自分の感情に負けて、厳しい言葉をかけてしまったり、欲張って傷つけてしまったり・・・・。残念ながら、理想には程遠い「私」の現実の姿が見えることもしばしばです。それが仏様ではない、人間として生きている「私」の現実なのです。

 しかし、あきらめることなく、理想の仏様と毎日向き合う時間を持ち、少しでも理想に近づけるように、今日一日を生きていこうと決意するのです。理想を持つということは、現実の自分に対する反省を生み、理想に高めていこうという決意につながるのです。

 仏教は「私」が仏様になることを目指す宗教です。仏様という理想をもってみませんか?

 

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