西極楽寺住職ブログ

雲香る

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2024年2月1日

2024年2月 伝道掲示

足ることを知らぬものは 富めりといえど心がまずしい

 人間には貪欲(とんよく)という煩悩がある。「もっと欲しい。これでは足りない。もっと欲しい。」と欲に限りがなく、どんどん求めてしまう心。貪欲をむき出しにして生きている姿は周りから見ていて愚かに見えるものです。もし注意を受けようものなら怒りをもって進言してくれた人を攻撃して陥れることすらあります。他の人が貪欲をむき出しにしていたら、「愚かなことをしているなぁ。強欲な人やなぁ。」とはっきり見えるのに、自分が欲をむき出しにしていても、自分でなかなか気づくことができないものです。これが「心がまずしい」状態です。

 佛教では、この貪欲を毒に例えます。貪欲をむき出しにして生きているとき、その毒が周りの人を苦しめたり傷つけたりすることはもちろん、自分をも苦しめたり傷つけたりすることになります。毒が表に出る回数や量が減るように、注意しながら生きたいですね。でも、それが難しいのですが・・・・。

 だからこそ、まずは自分が貪欲をもっていると自覚して、気を付けることから始めたいものです。そして「ほどほどで十分」と考えて、「足ることを知る」 ことが人生をより豊かに生きていくことにつながるのです。

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