西極楽寺住職ブログ
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人生には楽しいこともたくさんありますし、反対に苦しいことや悩みもあります。その苦悩には、どうやっても「避けられぬ苦悩」があります(2024年11月伝道掲示参照)。また「本来受ける必要のない苦悩」や「減らす可能性のある苦悩」もあります。それらは、人間の欲望により生じた状況に対する苦悩です。
もっとも分かりやすい例は戦争です。攻撃におびえて苦しみ、大切な方を殺されて苦しみ、どうすれば相手に反撃できるかを悩んだり・・・。苦しみや悩みが尽きず、気の休まる瞬間もないのが戦争です。本来受ける必要はないのに、欲望が暴走してぶつかり合い、いったん戦争が始まれば、始めた人ですら止めることが難しいのです。その結果、敵と味方を問わず沢山の方に苦悩を与えるのです。こうした苦悩は「本来受ける必要のない苦悩」であり、「減らす可能性のある苦悩」です。
国同士の戦争に限らず、会社間・家族間・近所づきあいなど、苦悩はありますが、お互いが欲を意識して少しずつ言動に気を付けて生きることで、余計な苦悩なく、楽しい人生を歩めるはずです。
でもそれがなかなか出来ないのが私たち人間です。人間は他の動物と比べて出来ることが多い生物であるが故に、欲を暴走させて余計な苦悩を増やしてきた歴史があり、令和の今もそうやって生きてしまっていることを見つめる必要があります。
「人は万物の霊長である」という言葉があります。本当にそうなのでしょうか。他の動物が作った言葉ではなく、人間が作った言葉なのですから、他の動物から見れば、ただの自己満足に過ぎないのかもしれません。