西極楽寺住職ブログ

雲香る

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2024年6月1日

2024年6月 伝道掲示

 私たちの心の中には煩悩があります。煩悩は文字通り「煩い悩みの種」になります。自らの煩悩で自らが悩み苦しむことになるのです。だから仏教では煩悩を無くしたり、抑えたり、少なくしたりすることを大切にするのです。

 5月のブログでは「貪り(むさぼり)」を紹介しましたが、今月は沢山の種類がある煩悩の中で「瞋り(いかり)」について考えてみたいと思います。瞋りとは思い通りにならないときに出てくる「腹立ちの心」です。自分の思い通りにしたい、思いをもっと実現したいという「貪り」の心が出てしまうからこそ、思い通りにならない現実に直面したときに「腹立ち」の心が出てくるのです。「なぜうまくいかないのか」「なぜあいつは邪魔をするのか」「あいつさえいなければ、うまくいったのに」と腹が立つのです。

 自分の腹立ちの心によって、たくさんのエネルギーを消費して心身ともに疲れることもありますし、相手に腹を立てたり、第三者にあたってしまうこともあります。そうやって自分にも他人にもイヤな思いをさせて不幸にしてしまうのが、瞋り(腹立ちの心)という煩悩です。

 腹を立てて怒っている時は、心の中に止まらず、表情に出てしまうものです。顔が真っ赤になりますから、赤鬼のようです。

 腹が立ったら鏡を見よ鬼の姿がタダで見られる

腹が立ったら、スマートホンや鏡を使って、自分の顔を見てみるのもいいでしょう。赤鬼のように恐ろしい顔をしている自分を見た時、少し冷静になれるかもしれません。

 本当に腹が立ったときというのは、スマートホンや鏡を見る間もなく、瞋りの心が沸き上がり、自他ともにイヤな思いをさせてしまうものなのですが・・・。少しでも回数が減るようにしたいものです。

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